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書籍紹介
世界を見る目 危機を見る目
著者黒田 東彦 著
出版社日経BP社
ISBNコード9784822249724
価格2200円
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【日銀総裁の世界フィールドノート】

2013年3月、白川方明総裁の後任として第31代日本銀行総裁に就任、「異次元の金融緩和策」を打ち出した著者が、前任のアジア開発銀行(ADB)総裁時代に、雑誌「知遊」(NPO法人・日医文化総研発行)に連載していた「黒田東彦の世界を見る目」と、日経ビジネスオンラインに連載した「マニラ便り」を再編集し、「大きく変貌するアジアを通して世界を見る」と題した「はじめに」を新たに書き下ろした。

全体は2部構成となっている。第1部「アジアの辺境から島嶼まで」では、成長著しい中国、インド、インドネシアのアジアの3大国やベトナム、ミャンマー、モンゴルなど新興パワーの動静を克明に描く。ADB総裁としての足は、中央アジアのウズベキスタンから太平洋の島嶼国パプアニューギニアまで及び、経済成長と貧困撲滅のための課題や各国政府との共同作業について描く。

第2部「世界危機ノート」は、リーマンショック後の世界金融危機、ヨーロッパ債務危機とアジア経済への影響をはじめ、アジアの貧困国を直撃した世界食糧危機、アジアの成長を左右する深刻な水危機、東日本大震災とアジアの自然大災害など「危機」の状況とそれへの対応を克明に描いている。財務官やADB総裁を経験した国際派エコノミストらしく、データに基づいた冷静な筆致が素晴らしい。
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